歯周病は単なる口の病気ではありません
口腔を清潔に保つことは、全身に良い影響を与えます。
歯周病は単なる口の病気ではありません。
最近さまざまな研究により、歯周病と全身の健康との関係が次々にわかってきました。
例えば糖尿病の人には歯周病になっている人が多く、歯周病が治りにくいという報告があります。
また、歯周病と心臓病・肺炎・認知症・低体重児出産・骨粗しょう症などとの関連も指摘されています。
歯周病は知らないうちに歯ぐきの骨がなくなる恐ろしい病気です
歯を失う原因の約42%が歯周病です。
歯と歯ぐきのすきま(歯周ポケット)から侵入した細菌が歯肉に炎症を引き起こし、さらには歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう病気を歯周病といいます。
むし歯と異なり痛みが出ないことの方が多いのですが、気づかないうちに進行し歯肉からの出血などが起こった後、歯が自然に抜け落ちるほど重症になることがあります。
歯周病は、慢性疾患です。日本人の35歳以上の80%が歯周病に罹患していると言われています。
歯周病は一度かかってしまうと完治は難しく、“継続した治療”が大切となります。
お一人おひとりに合った治療プランをご提案いたします。
あなたの歯周病度チェック
次の質問にあてはまる項目をチェックしてみてください。
1~2項目があてはまれば歯周病の可能性があります。
3~5項目なら初期あるいは中期歯周炎以上に歯周病が進行している恐れがあります。
- 歯ぐきに赤くはれた部分がある。
- 口臭がなんとなく気になる。
- 歯ぐきがやせてきたみたい。
- 歯と歯の間にものがつまりやすい。
- 歯をみがいたあと、歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある。
- 歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角的な三角形ではなく、オムスビ形になっている部分がある。
- ときどき、歯が浮いたような感じがする。
- 指でさわってみて、すこしグラつく歯がある。
- 歯ぐきからウミが出たことがある。
歯科衛生士による専門治療
歯周病検査 口腔内撮影
ポケットプローブという目盛りの付いた器具を歯と歯茎の境目の溝(歯周ポケット)に入れて深さを調べる検査を行います。少しチクチクします。
この検査で現在の歯ぐきの健康状態や歯周病の進行状態がわかります。
現在の口腔内写真を撮ることで、今後の治療計画がたてやすくなり、過去・現在の変化も比較することができ管理しやすくなります。
歯周病は、プラーク(細菌の塊)が溜まることで進行を招きます。
プラーク(細菌の塊)は次第に、歯石やバイオフィルムという集合体を形成し、いったん形成されてしまった歯石やバイオフィルムは歯みがきだけでは除去できません。これを除去するには歯科医院の専門器械を使った施術が必要となります。
超音波スケーラー
超音波振動により歯石のみを砕き取り除きます。
手用スケーラー
超音波スケーラーの効果は抜群ですが、歯茎の奥や歯並びの複雑な部分では、取りきれない場合があります。その部分は、経験を積んだ歯科衛生士がハンドスケーラーで丁寧に除去していきます。
PMTC
歯科医院で行われる専門家による徹底した歯面清掃・歯面研磨をPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)といいます。
専用の機器とフッ化物入り研磨剤を使用して、歯みがきで落とせない歯石や磨き残したプラークを中心に歯面の清掃と研磨を行い、むし歯や歯周病になりにくい環境へと導きます。
歯周病から歯を守る
メインテナンスの重要性
歯周治療を受けると歯周病原菌が減少して良好な歯ぐきの状態が得られます。
しかし治療終了後に定期的な管理をしないと歯周病原菌がまた増加したり、咬み合わせが変化して歯周病が再発することがあります。
定期的に歯科医院を受診して歯や歯ぐきのチェック、口腔の専門的クリーニングを受けることは歯周病予防にとても重要です。
国家資格を持った専門の歯科衛生士があなたの口腔内の健康状態を管理し処置を行います。
施術の最後には歯科医師もチェックを行います。
歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ)
歯ブラシではみがけない歯と歯の間の清掃には、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助用具が便利です。